冬季うつとは
・季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder; SAD)、冬季うつ病 (Winter Depression)、季節性気分障害(Seasonal Depression)、季節性感情障害
・秋から冬にかけて抑うつが始まり、春や夏になると治まるという特有のサイクルを繰り返すため「反復性冬季うつ病」という
症状
・気分が落ち込む(特に午前中)
・気力や集中力が落ちる
・イライラや不安感がひどくなる・
・今まで楽しんでいた物事を楽しめなくなる
・人と会いたくない
・性欲が落ちる
・炭水化物や甘い物が異様に欲しくなる
・いくら寝ても眠く、過眠傾向になる
・朝起きたとき辛い
・午後から夜に菓子パン、チョコレートなど甘いものや炭水化物を異常に欲する
・運動量が減る
・日中も眠い
・以前ならこなせた仕事をうまく処理できない
・ ぐったりとして疲れやすい、体を動かすのがおっくうになる
・考えたり、集中する力が明らかに落ちている
原因
・日照時間が減り、脳内のセロトニンの分泌が減る→脳の働きが減る
・太陽の光が少ない冬の期間は、セロトニン減少が起き、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった概日時計を調整するメラトニンの分泌がアンバランス、体内時計狂う
→脳内における「セロトニン トランスポーター」(SERT)と呼ばれるタンパク質の量が著しく変動、レベルが上昇し、セロトニンを吸収しすぎる
・厳しい寒さを乗り切るためにエネルギーを蓄えようとする身体の生理的な現象
対処法
・薬物療法
・日光浴
予防法
・自然の光を浴びる
→10,000ルクスの光であれば1時間程度浴びるのが効果的
・睡眠負債を貯めない 6時間は寝る
・疲労して冬を迎えない
・バランスの良い食事をする
→疲労回復効果が高い肉、魚、卵といった動物性たんぱく質と、風邪予防効果の高いビタミン・ミネラル豊富な緑黄色野菜・果物などを1日最低2食はしっかり摂取
・遊び過ぎず体力を温存する
・規則正しく生活する:起きる時間と寝る時間を決める
・日光浴してストレッチ
→マインドフルネス瞑想
- まず腹式の深呼吸をしっかり行い気持ちを落ち着ける。
- 「○○を動かします」「〇〇を伸ばします」「〇〇を曲げます」などと動作を行う前に心の中で意識する。
- ゆっくりと動作を行いながら、ストレッチすることによって体に生じる感覚に集中する。筋肉や関節が伸びる感じ、皮膚が突っ張る感覚、服が擦れる音、骨の動く音などあらゆる感覚を感じ取るように意識を集中させる
・食生活を工夫する
トリプトファン (肉類、魚介類(ぶり、いわしなど)、豆腐、のり、バナナ、牛乳、チーズ、カツオ節、凍み豆腐、大豆)
→吸収を助ける
ビタミンB6(まぐろ、にんにく、鮭、ごま、抹茶、レバーなど)
ビタミンB12(青魚(サンマ、イワシ、サバ)、かつお節、いか、レバーなど)
葉酸(緑黄色野菜やレバー、納豆)
鉄分(レバー、小松菜、牛肉)
乳酸菌(ビフィズス菌はヨーグルト)
食物繊維(野菜)
・手軽に運動:一定のリズムで行う適度な有酸素運動
・自分の感情を話せる人をみつけよう
・直接的な「社会参加」
・自然や歴史に触れる
・地域の隠れた名店を探すなどの趣味をもつ
・誰かとおしゃべりをしたりする
・照明を明るくする
・TODOリストでやることを整理する